昨年1本の訃報が入ってきた。
平取町で過ごし、フライフィッシングを始めていなければ、この方と知り合うことも、この方が鱒や作品などに懸ける「魂」も何もわからなかっただろう。
縁あって、職場の先輩のおかげでフライフィッシングという世界へ入っていったのだが、と同時に貝澤さんの「つとむ民芸店」には頻繁に顔を出させてもらった。
この方が木彫りの世界だけではなく、トラウト界でも有名な方だということを知るのにそう時間はかからなかった。
私はこの方の作品の美しさ、生きているような鱒の作品に次々と心が引き込まれ、ランディングネット、ブローチなどを一生ものだと確信し、今でも変わらず大切に使っている。
沙流川、新冠川....一緒に川を歩かせていただいたこともあった。....ルアーやフライを振っている貝澤さんの姿は今でも鮮明に覚えている。新冠川へ3人で行ったときに、手にしたモンスター級のブラウントラウト。いろいろあったけど楽しかったなぁ。
いつも穏やかな笑顔でお店で迎えてくれては必ず木を彫っている手を止めて釣り談義をしてくれた。占冠の岩魚55cmを上げたときは本当に喜んでくれた。
鱗を1つ1つ彫っているこの芸術作品の数々.....おそらくこの「生きている鱒」は私たちが寝静まったころに部屋の中を悠々と泳いでいることだろう。
「鱒の森No24」で紹介されたのは昨年秋のこと....
2006年の「Troutist」でも...
貝澤幸司さんの手から受け取った木彫り鱒の作品の数々は私の一生の財産。
天国でも素敵な作品を作り、ゆっくりと釣りをしていることでしょう....ね...きっと....
今までありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。